なんだかこの頃子どものやる気が出ない。
言っても言っても聞かないし、やってもやっても成績につながらないようだ。
来年が心配だ。
ときどきこんな話を伺います。
勉強に関する子どもの悩みって皆さんご存知でしょうか。
「嫌いな教科がある」以外にも子どもたちはいろいろな悩みを抱えていました。
「小中学生の学びに関する実態調査」(ベネッセ教育総合研究所による調査)が昨年11月に公開されました。
それに先立って行われた小学4年生~中学2年生とその保護者を対象にしたアンケートからは、
勉強に関して小中学生の本音が浮かび上がってきます。
小学生で4割、中学生では半数を超える人数の生徒が、
「上手な勉強のやり方が分からない」という項目にチェックを付けていました。
ここで大事なのは、「勉強のやり方が分からない」と悩んでいるのが
成績が伸び悩んでいる人だけに限らないということです。
このアンケートで「成績上位者」として分類された人の中でも
3割の生徒は他の層と同じように勉強方法で悩んでいたのです。
さて、先ほどの設問に続いて家庭や塾など学校外での学習時間も調査結果が出ています。
それによれば成績上位層と下位層では
平均20~30分、学習時間の差があります。
たしかに学習時間と成績には相関関係があるようです。
しかし、上中下位どの層でもいちばん多いのは
平均1~2時間というきわめて一般的な学習時間です。
そこで違いが出てくるのが「勉強のやり方」でした。
短時間の学習で良い成績を取る中学生は、
「何が分かっていないか確かめながら勉強する」
「重要なところはどこかを考えて勉強する」
「丸つけをした後に解き方や考え方を確かめる」
「問題を解いた後にほかの解き方がないかを考える」
という点で、長時間学習するのに効果が上がらない中学生のポイントを大いに上回っていたのです。
テスト期間になってから慌ててこの4点を実行するのは大変です。
そうなっては普通にテスト勉強するよりも却って時間がかかるため、
普段の授業や塾でその日の学習内容をしっかり覚えようとすることが必要になってきます。
逆説的ではありますが、毎日の学習意欲を持って具体的に学習を進めておくことが効率的で「上手な勉強」をするために重要だということが分かります。(続く)